第19章 他人の立派な息子を育て上げるなんて、最高に恥ずかしいことね

中野蓮は中野航平の前に立つと、ひどく不満そうな顔をした。まるで悪いのは全部、長谷川栞のほうだと言わんばかりに。

中野航平に半ば支えられている長谷川栞は、頭が割れるように痛かった。視界は暗く滲み、耳の奥ではじんじんとした耳鳴りが鳴り続け、何もまともに聞き取れない。

ただ、中野蓮の泣き声だけが、加工された電子音みたいに耳の周りをぐるぐる回って、神経を刺してくる。頭痛がさらに増幅して、息が詰まりそうだった。

頬を伝った血が、ぽた、ぽた、と床に落ちる。しばらくしてようやく意識が追いつき、栞は重いまぶたを持ち上げた。

蓮のほうを見ようとして――そこで気づく。暗いだけじゃない。視界そのものがぼや...

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